テレビ『おはよう朝日です』に石原さとみさんと青木崇高さんが出演されて
映画の話をされている様子を見て、これは見に行かなくては、という気持ちになり
早速行ってきました。
突然我が子がいなくなってしまった両親
弟に娘を預けて出かけていたことを後悔する母、ある事情で娘を一人で帰宅させてしまった弟、
娘がいなくなったときに何度も妻と義弟に連絡を取っているのに連絡がとれず苦悩していた夫
そしてこの事件を取材する記者、警察、勤務先の人などが出てきます。
石原さとみさんが演じる母親の姿がリアル過ぎて、痛みが息苦しくなるほどに伝わって
あまりの大変さに泣けない位の辛さで、よく最後まで演じ切られたな、と思わされました。
思わず涙したのは青木崇高さん演じる父親が町中で人目をはばからずに大泣きする場面
日々感情の揺さぶりが大きい妻になんとか冷静を保ち、ひたすら寄り添う中で
必死に秘めるしかなかった悲しみや苦しみが、人の優しさ、温かさにふれることで
一気に吹き出したように感じて、思わず泣けてしまいました。
中村倫也さん演じる地方テレビ局の記者
上司に仕事で求められることと、自分の持つ仕事に対する誇りや信念みたいなものとの乖離に苦悩するところで
鬱々、悶々とした気持ちやサラリーマンとして業務命令に完全に反旗を翻すこともできない状態を
冷静沈着に演じておられました。細かい表情や動きにリアルを感じました。
不幸な出来事の原因は自分にある、とそれぞれの立場の人が自分を責め、罪悪感で苦しんでいること
その罪について言葉にして謝罪することが続きました。
それぞれの立場で自分の行いを懺悔する気持ちがあって、
それは人を想う気持ちがあるからなんだなと気付かされます。
悲しみと苦悩は続く、という結末ではありましたが、
そんな中でも小さな喜びや希望のようなものを拾い集めて生きていく、
という夫妻の姿に人間の強さを感じました。同時に切ない、悲しい気持ちにもなりました。
私達にできることは身近な人に優しさを持って寄り添える存在でありたいと願うこと
そして、少しでも実践できるようにすること。
情報や状況で人にラベリングをせず、その人自身をちゃんと見つめること、かなと。
自分たちの家族の状況を考え直すきっかけをもらった映画になりました。